英語の聞き流しを10年やっても話せない3つの理由。

英語学習室

英会話を上達させたいと考えている人の多くが、英語の効き流しに興味を持っています。

聞き流しであれば、勉強する時間がなくても、常に会話を流しておけばよいだけですので、その簡単さが興味を持たれている大きな要因です。

聞き続けていれば、そのうち聞き取りができるようになり、話せるようになるのでは?

と考えてしまうのは無理もないことです。

それは英語が話せる環境が少ない日本に住んでいるからこそ、その環境さえあれば。と考えてしまうわけです。

ここでは聞き流しでは、話せるようにならない理由をいくつか取り上げてみたいと思います。

そもそも理解していない


英語は読んだり聞いたりすることによって上達しますが、そのためには基本的な文法や構文、単語などを知っているということは大前提です。

例えば、一つの文章の中によく知らない単語が1~2個程度しかなければ、前後の文脈から内容を推測することができ、その時点で新しい単語を覚えることができますが、全く知らない単語がほとんどの文章を聞いたとき、文章の意味が分からない呪文となるわけです。

これを繰り返し聞いたとしても、音でその呪文を覚えることはできるかもしれませんが、意味は全く理解できないままです。
仮にその文章を文字にして目にしたとしても、同じ内容だとは気づかないでしょう。

聞き流しの場合、本来ならば苦痛になるリスニングを、他の作業をしながら耳に入れるという特徴があります。

これでたくさんの英語に触れた気持ちになりがちですが、わからない文章というのは、どこまでいっても単なる音でしかないのです。

例えば、外出中でも、友人や家族との会話はきちんと聞き取っていますが、車の音や他の人の会話まではあまり耳に入りません。
これは、注意している音以外の音は、脳が優先度を下げて頭に入れないようにしているためです。

同様に、他の作業のついでに英会話を流している場合も、時間がかかっているだけで自分自身の英語の理解を上げることにはなりません。
仮にこれを10年続けていても、ほとんど会話が上達することはありません。

内容も理解できないままですので、当然、その言葉をいつまでも話すことはできません。

音の違いが区別できない

もう一つの理由として、文章を読めば理解できても、それを聞き取ることができていないこともあります。

日本語の特徴として、母音が少ないことが挙げられますが、これは英語を聞き取るという観点では弱点です。

日本語の母音はあいうえおの5つだけですが、英語は基本母音だけで13、R母音も含むと20を超えるバリエーションがあります。
そのため、きちんと注意して聞き取ったり、発音から学ばなければ、似たような発音の単語を聞き分けることができません。

注意して聞く場合でもなかなか理解できないにもかかわらず、聞き流しているだけでは、いつまでたっても聞き分けることはできません。

さらに、英単語を見ると分かるように、母音の表記の法則も非常に複雑です。

日本語であれば母音はaiueo(あいうえお)だけで済みますが、英語では同じ文字でも異なる読み方をしたり、複数の文字で母音を表すなどの特殊なルールがありますので、その基本を習得しておく必要があります。
会話で綴りは必要ないと思われるかもしれませんが、実際には英単語や文章を見ながら話をすることもありますので、表記されている単語や文章を正確に発音できるスキルは、会話において必要不可欠です。

このような違いは、日本語でも文中の「は」や「を」を「わ」「お」と発音したり、漢字の読み方が文脈や単語によって異なるケースがありますので理解しやすいですが、決まりきった文章を聞き流しただけで、身につくものではありません。
もちろん、聞き取りができない人が流暢な会話などできるはずもなく、結局発音の違いも理解できず、話せないままになってしまいます。

特に日本における英語の授業では、フォニックスという発音と文字の関連性を教えるところはほとんどありませんので、母音の違いを知らないままに教材のCDなどを聞き流す人が多く、結果的にかけた時間の割に、話せないままの人ばかりになっています。

文法や構文、英単語に関しては学校で習いますが、会話能力を高めたい場合には、基本的な発音をまず理解したうえで応用に進めていった方が良いでしょう。

聞くことができても話せない

それでは聞いて理解ができれば話せるようになるのでしょうか?

ついでに聞き流すのではなく、きちんと教材に目を通しながら熱心に聞き取りをしている人もいます。
しかし、そういった人でも実際の会話となると流暢に話せる人はほとんどいません。

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これは、聞き取りによって発音の区別ができ、また、言い回しや単語を覚えたことによって内容が理解できるようになっても、実際に自分が話をするときの力は全く異なるものであるためです。
聞き取りと話すときでは脳で使われている場所もことなり、事故や病気などによって、聞くことができても話せなくなる人やその逆の症状が見られる人もいます。

このことから、聞き流したことのある文章を理解し、覚えて復唱したとしても、直接的に話す能力を向上させるのは困難であることがわかります。
実際の会話では、覚えている文章を上手に発音できたとしても、それを受けてさらに会話が広がっていくわけです。

これは一番伝えたいことですが、英語を話すということは、

伝えたい意味を表現する英語の文章を常に作りだす必要があります。

日本でも英語の文章を作りだす重要性は徐々に認識されるようになり、比較的学年の低いうちから英語に親しむ機会を増やしつつあります。
しかし、元々が文法などの難しい内容から学ぶ学習方針ですので、英語自体を敬遠する人も少なくありません。

さらに、会話で失敗することを恥ずかしいと感じる日本人の感性の問題もあります。

聞き流すような勉強は熱心に行っても、英会話ができる相手と実際に話してみようとする人も非常に少なくなっています。

日本で学ぶ文法は当然ながら正式なものすが、実際の会話は文法通りでないこともあります。

その手ごたえを実感し、多くの経験を積むことによって、ヒアリングやリーディング、ライティングなどで蓄えてきた能力を活かして、ようやくスピーキングができるようになるわけです。

まとめ

英会話のスピーキング能力を向上させたいのであれば、英文を理解し、聞き取れるようになって、話す練習をする必要があります。

聞き流すだけの勉強方法では、やる気がなければ全く何の役にも立ちませんし、教材を見ながら真剣に取り組んだとしても、相手の言いたいことを理解できるようになれるまでが限界です。

さらに会話ができるようになるスキル(英語の文章を創りだす力)を身につけるには、自分が興味を持ち続け、何度も繰り返し反復して覚えたり、会話を実体験してみるしかありません。

実際、海外のドラマや映画を見ると、文法などはほとんど使わずに単語や簡単な言い回しだけで会話が成立しています。
また、英会話教室などで話すときも、授業で習うような複雑な構文を使った会話はまずありません。

さらに、頭に浮かんだ言葉を英語に訳す習慣をつけることで、知らなかった単語や言い回しを調べる機会も増えます。

英語を話すことにフォーカスすると、リスニングやリーディングなども理解が深まります。

ぜひ、英語のスピーキングに焦点を絞って学習を進めてみてください。

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