その英語練習方法は正しい?英語学習の落とし穴5選。
目次
取り組み方による落とし穴
英語を学習する上で陥りがちなのが、真剣に言語を学ぼうとする意欲が不足していることによる失敗です。
日本では義務教育のうちから英語を学習しますが、英会話の体験ということに関してはいまだにほとんど行われていません。
その結果、成績が良くても会話が通じないというケースがあります。
日本人の短所の一つに、きちんと理解できていなくても曖昧に返事をしたり、相槌を打つことがあります。
会話にしろ講義にしろ、理解できていなくても同意や相槌を打つことで、相手は内容が通じたと考えてそれ以上の追求をしなくなります。その結果、理解できない点をきちんと学習する機会を失ってしまい、いつまでも英語の能力が上達しないという落とし穴があります。
しかし、日本では知らないことを恥と認識する傾向にありますが、海外ではわからないことははっきりとそう伝えるべきと考えている人がほとんどです。むしろ伝えることによって相手もコミュニケーションの取り方を変えてきますので、それまでより学びやすい環境になります。わからないことをきちんと分からないと伝えるだけで基礎からきちんと学ぶことができますので、積極的に質問をする習慣を身につけることは英語体験の上で重要な要素です。
そうした問題に似ていますが、何とか会話や試験などで問題をやり過ごせたとき、それで満足してしまうことでしょう。
会話というのは常に変化することなので、その時にやり過ごせたことでも、その次はできないこともあります。
意味が分からなかった時、知らない単語があった時、発音が聞き取れなかった時などに後から調べなおすという作業をしなければ、柔軟性がついてきません。
これが受験勉強等であれば、わからないことは調べなおして自分の知識にするという人がほとんどですが、語学はある程度身振り手振りで通じると考えてしまいがちです。しかし、本来は語学こそが覚えなければならないことが多いため、反復による学習が必要です。
知識不足による落とし穴
次に、学習の仕方で陥りやすい落とし穴が二つあります。
一つは、暗記しなければならない項目が多すぎて途中で挫折してしまうケースです。
英語を覚えるためには、単語、フレーズ、文法、発音、構文など様々な要素が必要です。日常的に使っている日本語ならばともかく、学習時間が限られている外国語の場合には覚えなければならないことが多すぎて、途中であきらめる人も少なくありません。
これらをすべて暗記で対応使用とすること自体に無理があるのです。
ビジネスの場面でも、日常的な会話の場面でも問題なく英語を操れるようになるためには、基本的な言い回しや単語、最低限の文法は学んでおく必要はあります。それも、同様に暗記に頼れば、自然なコミュニケーションが取れるはずもなく、挫折の確率を上げるだけです。
逆に、最初は時間がかかりますが、基礎構造をしっかり固めておくことで、その後の英語力はかなりのハイペースで上達していきます。
ヒアリング、リーディング、ライティング、スピーキングをバランスよく育てていくようにするという感が方もありますが、大事なことは英語の文章が作れるようになることです。
ヒアリングができてもスピーキングができない人はざらにいます。文章の作成能力を高めることが重要なのです。
もう一つは、伝えたいことを伝えきれない場合があるという問題です。これはとても重要な要素です。
例えば、たくさんある単語や言い回しをほぼ完全に覚えたとしても、文化の違いや専門的な知識の違いなどから、すんなりと相手に意味が伝わらない場合、言い回しを知っているだけでは詳しい説明をしたり、他の言葉に言い換えることができません。
柔軟な対応ができるようになるためには、近い意味の単語をたくさん覚えておくこと、その上で、英語の基礎構造をしっかり身に着けておくことです。
文法をきちんと理解して、その言い回しやフレーズを使おうとすると、間違いなく話せません。
文法を考えて自然に話している人なんかいないのです。(文法を学ばなくていいといっているわけではありません)
これができるようになるためには、普段から英語で表現していくことでしょう。そこで重要なことは瞬間的に表現してみることです。
また、基礎的な能力を強化するために、会話ができるようになっても単語や構文などの学習は欠かさないようにするのが英語力を高める上で必要不可欠ですが、高度な文法を習得する必要はありません。
中学レベルの文法さえあれば基本的にはペラペラ話せるようにはなります。それよりも大事なことはその基本構造を体に染み込ませておくことです。
日本語との違いによる落とし穴
日本語と英語では、文法や言い回し、使い方などに違いが見られます。一番わかりやすい違いとは、言葉の順序です。
例えば、日本語で「私はあなたを愛しています」は、英語では、「I Love You」です。日本語の順序でいえば、Love と You が反対です。
中国語では、ウォーアイニーで英語と同じ順序ですので、似たような順序であることが想像できます。
これを言語の距離といっていますが、日本語は英語との距離が遠いのです。
そのため、日本語で伝えたい内容を英語に直訳すると、現地の人には伝わらなかったり、文章として違和感のあるものになってしまうことが多いです。そうした理由からも、丸暗記だけでは現地で問題なく会話ができるというのは不可能ですし、一度会話に詰まってしまうと、それを柔軟に説明することもできなくなるため、全く意思の疎通ができなくなります。
これは日本語と外国語の文法の組み立てが異なっているだけでなく、日本と海外の習慣が全く異なっているため、どうしても発生してしまう落とし穴といえます。
順序意外にも違いがあります。
例えば、日本で一般的に使われる「よろしく」という言葉は、いろいろな場面で買うことができ、その時々で意味合いが感謝やお願いなど、異なってきます。しかし、これと同じ内容を海外で伝えたい場合には、それぞれに文章が異なってきますので一つ一つ覚えていかなければなりません。
また、学習方法にも問題があります。日本では、学校の授業などでは文法や単語を理解していれば、直訳でも正解になります。
逆に、意訳をすると減点されることもありますので、意識的に近い言い回しではなく、不自然でも直訳した文章を作成しようとする傾向にあります。しかし、実際の英会話では逆であり、複雑な構文や文法を使っていたり、会話ではまず使わないような言い回しを用いた文章では、こちらの意図を相手に完全に伝えることは非常に困難です。
そのため、問題なく意思の疎通ができている人は、伝えたいことを自分の知っている単語や文法などを使い、時にはより伝えやすい内容に変換して意志のやり取りをしています。オリジナルの英文をつくることができるようになるまでにはかなりの努力や時間が必要になりますが、国内でしか通用しないような文章しか作れない状態にならないように、ライティングやスピーキングの能力も高めるようにしましょう。
まとめ
このように、日本語と同じような感覚で外国語を学んだ場合には、国内での成績は高い評価になるかもしれませんが実際に現地でやり取りをするときにはあまり役に立ちません。
一つの言語を学ぶということは簡単なことではありませんし、覚えなければならないこともたくさんありますが、こと英語の学習方法については日本人は失敗しやすい環境にあります。
英語の基礎構造を体に染み込ませることは、地道な作業ですが、これが最終的には功を奏します。
そして、自分が知っている知識を活かしながら、柔軟に言い換えができるようにすることが大切ですので、できるだけ現地の人とのやり取りをする機会を増やすことも大切です。留学やホームステイもよいですし、外国人講師が在籍している英会話教室に足を運んでみるのもよいでしょう。それによって、複雑な文法や構文がほとんど役に立たず、むしろやり取りに必要なフレーズもたくさん覚えられます。また、日本語には存在しない母音の違いを聞き分けられるようになりますので、聞き違いも少なくなります。
ただし、留学したから話せるようになる。英会話学校に通ったから話せるようになる。といったような考えはお金の無駄遣いになる可能性が高いです。
日常会話が難なくできるようになったときでも、ブロークン英語でなく、価値の高い表現ができるように意識しましょう。むしろ、ビジネス会話になると専門用語も増えますので、他の単語を使って説明をしたり、確認をする作業がさらに増えます。
これを知っておくだけで、今後英語を勉強するときの方向性もある程度決まってきますし、聞き流しや文法の丸暗記といった、時間ばかりかかってあまり効果の得られない勉強方法を避けることができます。
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